クチ・トンネル特集 ２
クチ・トンネルに向かう
| 彼の後に付いて森の奥に入って行きましょう。彼がクチの案内係です。何気なく歩いていると、あちこちで大きなくぼみを見つけることができます。これは米軍が飛行機から落とした爆弾の跡です。 １９６５年から１９７３年だけで、米軍はベトナムを中心とするインドシナ半島に１４００万トンもの爆弾を降り注いだのです。第二次世界大戦でも６１０万トンだというのに。 （参考文献） 『 ベトナム戦争 』 松岡完 中公新書 2001.7.25刊 |
| 回転式落とし穴 しかし、地上戦ともなれば、こっち（ベトナム）のものです。左写真のような仕掛けを作って、枯れ葉で覆っておきます。米兵がこの上に乗ると９０度回転し、下に落ちます。下には金属製の刃が突き出ています。人間串刺し機とでも言いましょうか！ これも、ベトナム人の工夫の一つですね。まるで、こうした工夫を楽しみながら、戦っていたような感じもしなくはありません。しかし、武器で劣る者たちの必死の抵抗であったことも当然理解できます。そして、地上戦での米兵の恐怖は容易に想像できます。 ２０００年１１月にアメリカ大統領として初めてベトナムを訪問したクリントン大統領はこう言っています。ベトナム戦争は「両国が共有する痛み」であると。個々人の兵士の痛みであるばかりでなく、アメリカ国家にとっても痛みであったことは間違いありません。しかし、何よりも、ベトナムの人々が最大の被害者であったことは忘れてはならないと思います。 （参考文献） 『 ベトナム戦争 』 松岡完 中公新書 2001.7.25刊 |
