クリオン古代遺跡とアポロン神殿

コロッシ城からバスで１５分ほど西に走ると、クリオン古代遺跡に到着です。地中海に面した古代遺跡は、紀元前４世紀のギリシア時代から１～４世紀のローマ時代、７世紀中頃までの初期キリスト教時代にわたる古代遺跡が残され、整備されています。

広大なクリオン古代遺跡のなかで、私たちが訪れたのは、「エウストリオスの家」と「円形劇場」の二カ所だけです。

「エウストリオスの家」は、風雨からの保護のため大きい屋根で覆われています。

「エウストリオスの家」の跡地には見事なモザイク画が残されています。そのなかでも最も完全に近い形で残っているのが、キティシス像です。彼女は計量器具を右手に持っています。これがローマ時代の１フィートの物差しだとされます。

クリオンはヘロドトスの歴史書にも登場する古い町です。それによると、クリオンは、紀元前１４世紀頃にギリシアのペロポネソス半島からやってきたアカイア人によって造られた町です。
（参考文献）『キプロス島歴史散歩 (新潮選書)』

「エウストリオスの家」のすぐ近くに円形劇場があります。高台となっていて、その斜面を利用して造っているのは賢い造り方ですね。労力も少なく済んだことでしょうし、海を眺めながら演劇鑑賞するのも乙なものですね。
現在もここでコンサートなどが開かれると聞きました。

最初の劇場は紀元前２世紀末に建てられました。何度かの地震によって破壊されましたが、１世紀半ばから３世紀までの間に何回か修復され、３０００人を収容する劇場になりました。しかし、４世紀には完全に破壊され、うち捨てられてしまいました。
今、私たちが目にしているのは最近再建されたものです。（案内リーフレットより）

ローマ劇場で思い出すのは、今では訪れることができなくなってしまったシリアのそれです。
ＩＳによってその一部が最近破壊されてしまったローマ劇場は、シリア中部にあるパルミラのローマ劇場です。そしてシリア南部のボスラにもローマ劇場はありましたが、もはや行くことはできません。
シリアはキプロスのすぐ近くにあります。キプロスから海を隔ててわずか１００キロほど東のところです。

まだ幸せな日々のパルミラ、ボスラのローマ円形劇場をご覧ください。
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