漢陽陵博物館

景帝の陵墓や地下博物館などがある広大な漢陽陵博物館

　今日は帰国の日です。西安空港１３時発の上海航空で上海経由関西空港へと帰国しなければなりません。午前中をホテルでぼけーっと過ごすのはもったいない！ということで、どこか行ける所はないかと探していました。
　地図を見ていると、空港の近くに「漢陽陵博物館」というのがあるのを知って、そこを訪れることにしました。
　
　ホテルのフロントにタクシーを頼みました。以下の条件です。
　７時３０分にホテルを出発、８時３０分に博物館に到着、１０時にそこを出発し、１０時３０分までには空港に到着する。この条件で３５０元（約５０００円）で交渉成立です。

漢陽陵博物館は、前漢の第４代皇帝、景帝（在位：紀元前156〜141）の陵墓とそこからの出土品を展示している地下博物館がメインです。入場料は８０元（約１２００円）。


博物館の案内パネル

　漢陽陵博物館は非常に広大な敷地のなかにある博物館です。私が今回見学したのは、２００６年にできた中国初の地下博物館とも言われる部分です。これとは別に道路を隔てて考古陳列館というのが１９９９年にできているようですが、今回は時間の関係でそこまでは訪れることができませんでした。
　こんなきれいな紹介パネルがある博物館は中国では珍しいような気がします。中国も、何事においても、世界標準に近づいているようです。一昔前にはよく噂で聞いていた汚いトイレの存在なども今ではどこでも経験することはできません。


前漢の歴代皇帝のパネル

　地下博物館の入り口には前漢の歴代皇帝が紹介されています。景帝は右から４番目にあります。第４代皇帝ということでしょう。高祖・恵帝・文帝・景帝・武帝・・・・と続いています。
　こんな作り方もオシャレなものです。秦始皇帝の兵馬俑博物館も発見がもう少し遅れていたなら、もっと違った展示方法も考えられていたかもしれません。


景帝の陵墓の模型

博物館に入ると、靴にビニール袋をかぶせなければなりません。これなんかもこれまでの中国の博物館とはちょっと雰囲気が違っています。今回の旅行ではここだけでした。


ガラス張りの地下遺跡

　　　　　　

靴にビニールをかぶせて、ガラス張りの床の上を歩いて行きます。すると地下には秦始皇帝の兵馬俑博物館よりもやや小さめの兵馬俑が埋もれています。前漢の時代にも、こういう習慣があったようです。


景帝の陵墓

　地下博物館から出ると、景帝の陵墓が見えてきます。現在では、小高い山のようになっています。柵が張り巡らされていて、登ることはできません。
　しかし、何事においても変化が激しい中国ですから、ひょっとすると登れる日が来るかもしれませんが・・・。ただ、登ったとしても、あたりは畑しか見えないでしょうが・・・・。


景帝陵墓南門内側

景帝の陵墓の南門がきれいに復元されています。


景帝陵墓南門外側

中では南門の遺跡が残されています。この前は一般道路が走っています。

　ところで、景帝なる人物ですが、日本では前漢の第６代皇帝と紹介されています。ところが、中国では第４代皇帝となるようです。景帝以前の二人の皇帝が短期間なうえに正当性が疑われるらしいのです。この博物館でも第４代との認識のようです。入り口にあった皇帝のパネルが４番目でした。
　ちなみに、『地球の歩き方　西安・敦煌・ウルムチ０９〜１０』では、第８代皇帝とありますが、これは完全な間違いです。『歩き方』は私も大いに参考にさせてもらっているので、ありがたい存在ですが、この種の間違いはよくあるので眉唾物です。

　前漢の皇帝では景帝の次の皇帝である武帝が一番有名です。景帝は少し存在感が薄い皇帝ですね。その皇帝ですら、こんな立派な陵墓を造っていたのですから、当時の皇帝の力の大きさは容易に想像できます。当時の人民の苦労は・・・、などど思っていると、近くで農民の姿が目に入ってきました。


近くで農作業する農民

　博物館の敷地のすぐ近くで農民が農作業をしていました。漢の時代と現代では、着ている服こそ違っていますが、農作業のやり方はそれほど変わっていないのかもしれません。
　あたりは畑しかありません。ここはまだそれほどメジャーな観光地ではないため、のどかな田舎の雰囲気が感じられます。当然、土産物屋なども一切なく、寂しいところですが、中国の農民の生の姿を垣間見ることもできる、面白い所です。
　
　午後出発の飛行機なら、午前中は空港への途中にあるここを訪れてみるのも良いかもしれません。

さて、これで５日間の西安の旅も終わりです。
西安空港へ向かい、上海乗り継ぎで帰国しましょう。


「ＦＬＹ！パンダ」・・・パンダがデザインされた特別塗装機で帰国
（上海空港から関西空港へのＡＮＡ便）

上海発の帰国便では珍しいデザインの機体に遭遇しました。パンダがデザインされた特別塗装機「ＦＬＹ！パンダ」です。よくあるボーイング767-300ER型機ですが、ＡＮＡが中国線就航20周年（2007年）を記念して特別塗装した珍しい機体です。

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