リトアニア：シャウレイの十字架の丘

ラトヴィアの首都リーガからバスで２時間ほど走り、リトアニアの北部の町、シャウレイへと向かいます。バルト三国の景観はさほど変化はなく、ずっとこんな感じです。

シャウレイの郊外には「十字架の丘」があります。私はこれほど十字架が密集しているところを見たことがありません。丘の中に小道があるので歩いてみましょう。

シャウレイの「十字架の丘」は墓地ではないので、遺体はありません。ただただ見事というほどのおびただしい数の十字架で埋め尽くされています。

最初の十字架は１８３１年のロシアに対する蜂起の後、処刑や流刑された人々の鎮魂のために建てられました。ここでも、ロシアが陰を落としているんですね。

ソ連時代にはこの地に入ることは禁じられ、十字架はブルドーザーでなぎ倒され、何度も焼き払われました。

リトアニア民族受難の聖地ともいえるこの場所には、その後も十字架は増えるばかりで、もはや建てる余地がないほどになっています。十字架は丘の麓の平地へと広がっているように感じました。