ガルニ神殿

少し離れたところからこの姿を眺めると、ギリシアのパルテノン神殿を思い出させる形をしています。近づいてみると、パルテノン神殿に比べて広さがやや小さいようです。その分背の高さを感じました。
ギリシア・ローマ風の神殿建築ですね。アルメニアで少し「おやっ、」と思った瞬間でした。

実際、これはアルメニアに残っている唯一のヘレニズム建築(ギリシア風建築)です。太陽神を祀る神殿で、元は1世紀につくられています。(目の前にある建物は、もちろん、再建されたものです。しかもかなり最近のように思えます。)

ガルニ神殿は、太陽神を信仰するミトラ教に関係するものだとされています。ローマ帝国の時代、ミトラ教はキリスト教と並ぶ重要な宗教で、ライバル関係でもあったようです。

ガルニ神殿は、エレバン市内から約30キロほど南東のアザト川上流域にあり、周囲を崖で囲まれた高台に聳え立っています。


24本の列柱が支える神殿

 

簡素な祭壇

神殿内部は簡素なつくりで、太陽神を祀ったと思える祭壇があるだけです。 


見晴らしの良い高台にある

かなりの標高なのか、風が涼しい。向こう側には別荘らしきものがいくつか見えています。

 

アザト川の渓谷

周囲を崖で囲まれ、天然の要害といった場所にあります。下にはアザト川が細く流れています。 


24本の列柱 浴場跡

神殿のすぐ近くには、ローマ時代の浴場跡が残されていました。 


浴場の床に残るモザイク画

ローマ帝国の影響力をはるか辺境のコーカサス地方で感じた瞬間でした。