ジュガンティーヤ神殿　カリプソの洞窟

ゴゾ島のほぼ中央に位置するヴィクトリアのすぐ東、シャーラ高原にある巨石神殿です。「マルタの巨石神殿群」として、世界遺産に指定されています。

実際に神殿を見学する前に、小さな博物館内でパネルを見ていきます。

ジュガンティーヤ神殿は紀元前３６００年頃の遺跡です。エジプトのピラミッドよりも１０００年も古いものです。
ひょっとして、現存する世界で一番古い神殿？世界最古の宗教的建造物？

左側写真の黄色い部分が神殿です。二つの神殿が隣接しています。石壁が二つの神殿を囲んでいます。
一説によると、神殿の上部の二つのふくらみは乳房、下部のふくらみは臀部。最下部は女性の生殖器を表しているとも言われています。

マルタの伝承によれば、巨人族の女性がこの神殿を建てたとされます。

この遺跡から多くの女性像が発掘されているようです。男性像はありません。
いつの時代も、どこにおいても、造られるのは女性像のようです。豊饒・多産を願うのは共通なんですね。
この遺跡で発見された男性に関するものは男根像だけです（笑）。これさえあれば、多産には協力できます（笑）。

紀元前３６００年にどんな民族がこの神殿を造ったのでしょう？
マルタの歴史ではっきりと民族名が出てくるのは、フェニキア人による支配時代以降（紀元前１０００年頃）のことです。
ジュガンティーヤ神殿をつくった民族についてはよくわかっていないようです。そのため巨人伝説も生まれてくるのでしょう。

ジュガンティーヤ神殿は高原状のところにあるので、見晴らしが良い。南側にシェウキーヤの洗礼者聖ヨハネ教会(Church of St. John The Baptist )が見えています。

シャーラの北側にやってきました。ゴゾ島の北岸です。カリプソの洞窟があります。洞窟の中には入れません。このように上から覗くだけです。
紀元前８世紀のホメロスの詩「オデュッセイア」に登場する美しい妖精カリプソに関係する場所です。
伝説に寄れば、カリプソがオデュッセウスを愛の虜として７年間閉じ込めた洞窟とされます。

洞窟の中には入れませんが、洞窟のある丘から眺める景色は素晴らしい。白ではなく赤っぽい砂浜のビーチがきれいに見えます。夏になると大賑わいするのではないでしょうか。