プランバナン寺院群（２）

　プランバナン寺院史跡公園内にあるのは、ロロ・ジョングラン寺院だけではありません。ロロ・ジョングラン寺院の北側に３つの仏教寺院があります。

ルンブン寺院、ブブラ寺院、セウ寺院です。

ただ、それらはいずれも廃墟と言ってもよく、現在修復中のようです。

　公園内をゆっくり北に向かって歩いて行きましょう。
　
　これらの寺院はいずれも8世紀から9世紀にかけて造られたものの残骸です。ボロブドゥール寺院（シャイレーンドラ朝の仏教寺院）やロロ・ジョングラン寺院（古マタラム王国のヒンドゥー教寺院）とほぼ同時期のものです。この時期ジャワ島中部ではヒンドゥー教と仏教が同時期に共存していたことがわかります。


ルンブン寺院

Candi（チャンディ）とは、寺院のことです。仏教寺院とヒンドゥー教寺院の両方ともインドネシアではCandiと呼ばれています。 


ルンブン寺院主堂

修復中の主堂がちょこんと建っているだけです。周囲にも小堂があるようですが、全く形をなしていません。看板がなければ廃墟としか言いようがありません。しかし、もっと以前の写真をみると、これよりももっと残骸とも思える写真でした。修復が少しずつ進んでいるということでしょう。 


ルンブン寺院主堂内部の様子

中には壁際に仏像が置かれていただろうくぼみが残っているだけです。


ブブラ寺院

　　　

今は全くの廃墟となっています。足場の悪い階段を上り、上から覗いてもこんな状態です。もちろん観光客は誰も通りません。

この前の広場では地元の子どもたちがサッカーをして遊んでいました。


セウ寺院

ロロ・ジョングラン寺院から北に1キロあまり歩いてきました。プランバナン史跡公園の最北部にセウ寺院があります。先の二つに比べると、規模が大きい仏教寺院です。 セウは千の意味で、セウ寺院は千仏寺と訳される場合があります。


　セウ寺院の正面入り口に二つの像が立っています。クペラという門を守る像です。太った身体が印象的。手にはゴトという武器を持っている。地元の人はこの像は巨人（ラクササ）と呼ばれる場合もあるようです。
　ここでも、地元の子どもたちが遊んでいました。


セウ寺院主堂とペルワラ（小祠堂）の残骸

 

レリーフの残るセウ寺院のペルワラ群

 

セウ寺院ペルワラ残骸群

 いつの日か修復作業は完成するのでしょうか？このままの状態も往時が偲ばれ、趣があるようですが・・・。