鶏鳴教会
| 【左】鶏鳴教会。 イエスは逮捕、連行されました。ペテロはイエスの仲間であることがばれるのが恐ろしくなり、三度もイエスを知らないとウソを言いました。そんなペトロを記念して建てられた教会。エルサレム旧市街の南側、シオンの丘の東斜面に建っています。 【右】鶏鳴教会の扉。 ゲッセマネで逮捕されたイエスは、大祭司カイアファの邸宅に連行されました。邸宅跡とされる場所に現在、鶏鳴教会が建てられています。その名前の由来は以下の通りです。 イエスが逮捕されると、弟子たちは恐ろしくなってどかかへ逃げていったようです。そのなかでもペトロだけは逮捕されたイエスの後を追い、カイアファ邸の中庭に紛れ込みました。ある人から「お前もイエスの仲間だろう」と問いつめられた時、ペトロはイエスなんてやつは知らないと三度も言ってしまうのです。この時、ちょうど鶏が鳴いたのです。 ペトロはとっさに思い出しました。 最後の晩餐の時、ペトロはイエスから「鶏の鳴く前に、あなたは三度私を知らないと言うだろう」と言われていたのでした。ペトロはとっさにこのことだったのかと気づき、激しく泣いてしまうのでした。 不覚にも、死の恐怖の余り、イエスを裏ぎってしまった人間ペトロ！ ぺトロはこの時まだイエスの強さは持っていなかったようです。しかし、逆にペトロの弱さがごく普通の迷い多い人間にとっては、キリスト教をより身近に感じさせてくれます。ペトロはそういう役割を持っているように思えてきます。ペトロは「私もそんな弱い人間だったのだよ」と、凡百の人間の持つ弱さを免罪してくれているような気もします。使徒たちが余りにも強すぎると、普通の人間は近寄りがたいですよね。 しかし、ペトロはこの後、改心し、イエスの一番弟子としてイエスの教えを広めていくことになります。聖書を物語として読むとき、ペトロのこんな逆転劇におおいに感銘を覚えます。 |
ペトロ、鶏が鳴く前に、イエスを知らないと三度言う 『聖書 新共同訳』から
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イエスの時代の石段がそのまま残されている |
| イスラエルにある教会や遺跡は古い伝承に基づくものが多く、本当にその場所が意味あるものかどうかは今となっては確認のしようがないのも多いようです。信者の人はそう信じていても、私のような無神論者にとってはただの記念の地です。 ところが、鶏鳴教会のすぐ横にあるこの石段はイエスの時代のものだと科学的に立証されています。イエスが逮捕、連行され、この階段を歩いたかもしれないと思うと、無神論者の私でも心動かされます。 |