グダニスク造船所と連帯記念碑

記念碑は、自主管理労働組合「連帯」が政府の弾圧を受けたとき、それに抵抗して生命を落とした労働者を弔うために建てられました。

1980年､グダニスク造船所はレーニン造船所と呼ばれていました。まだソ連健在の時代です。このレーニン造船所の一労働者レフ・ワレサが中心となり、ソ連圏の社会主義国で初めて自主的な労働組合「連帯」を結成し、自由を求めて立ち上がりました。
ソ連の意を受けたポーランド政府はこれを弾圧しましたが、粘り強い運動の結果、「連帯」運動は広がり、ポーランドの民主化、そして、東欧全体の非共産主義化への口火を切ったのです。
こうして、1980年に始まったポーランドの「連帯」運動は、1989～1990年の東欧革命の先駆けとなりました。

1989年には自由選挙が実施され、「連帯」グループが圧勝し、ワレサはポーランド共和国（1989年以降～）の第二代大統領（在位：1990～1995）になっています。

【余談】
この後訪れる観光の途中で、グダニスク郊外にあるワレサさんの現在の住まいの前をバスは通過していきました。高級住宅地のなかの大きな邸宅でした。ワレサはもう歴史の人かと思っていましたが、まだ７２歳で､健在でした。