クアンタンの家

チャンフー77番にある旧家、クアンタンの家。海のシルクロード博物館（チャンフー80番）の斜め前にある間口の狭い平屋の家です。うっかりすると、通り過ごします。間口はせまいのですが、奥は深い家です。チャンフー通り沿いの家はみんなこんな感じです。クアンタンの家は、民家の一部を開放しているといった感じですね。

中庭があって、おばあさんが掃き掃除をしていました。この家の子孫の方なんでしょうかね？

現地で購入した本に、こんな記述がありました。七四歳の女主人の言葉です。

「死んだ主人は６代目。先祖は中国福建省からやってきて、ハノイや中国へ産物を売って財産をつくった。この地で結婚した奥さんは周辺の産物を集め、主人は交易をする。前家はお店、後ろ家は生活の場、裏庭で炊事をし、中庭は眺める庭としてきれいに保つ。」
（参考文献）現地で購入した『ＨＯＩＡＮ　Ancient Town of Hoi An Thrives Today』p.17

５つの会館やクアンタンの家をはじめとするいくつかの旧家、日本橋、海のシルクロード博物館、すべてがチャンフー通りに面して建っています。ひととおり見るだけなら2～3時間あれば大丈夫です。でもここはゆったり散策するところだと思います。夜も出かけて散策することをオススメします。

言い伝えによると、バーレー井戸はチャンパの時代から枯渇せず使われ続けているとされています。ホイアンの名物料理、ホワイト・ローズやカオラウを作るにはここの水でなければ駄目とも言われています。
（参考文献）『地球の歩き方　ベトナム'13～'14』p.252

地元で知らない人はいないという有名な井戸です。バイクや自転車で続々と水を汲みに来ていました。

チャンフー通りからはずれたところにあります。チャンフー通りの一本北の大通り、ファンチューチン通りからさらに小道に入り込んだところにあります。少し探しづらかったところです。私も近くまで来ているはずなのに、場所がわからず、何人かに尋ねました。
地図を差し出しながら、「Where is the Bale well？」と尋ねると、親切な地元の人がここに連れて来てくれました。民家の裏庭にあるといった感じで、ここは誰かに尋ねなければわからないと思います。現在も使われ続けている井戸です。

「バレ夫人の井戸」として、小倉貞夫『ヴェトナム歴史の旅』でも紹介されている

「チャム族がつくった井戸がいまもなお生きていて、すばらしい勢いで新鮮な水をこんこんと噴出している。四百年前の井戸だという。もっと前の時代からあった井戸だという人もいる。
チャム井戸を見ると、干しレンガでつくられた井戸で、底には、井桁のかたちで、石が置かれていて、この下の砂地から、こんこんと清水が湧いてきている。」
（参考文献）『ヴェトナム歴史の旅』p.158

ホイアンではチャンフー通りをはじめ、大通りはすべてトゥボン川と平行に東西に走っています。南から、バクダン通り、グエンタイホック通り、チャンフー通り、ファンチューチン通りの４本さえ頭に入っていれば一人で自在に町を歩ける小さな町です。

東西に走る大通りには何本も南北に交差する小道があります。ただ、行き止まりの道もあるので、そのときは引き返すしかありませんが・・・。この道も南北に走る小道の一つです。こういったところではご飯を食べていたり、中国将棋をしていたりする場面にも出くわし、生活感を感じられるところです。

ホイアン中心部の南に島があります。アンホイ島です。橋でつながっています。この橋を渡ったところに、「クー・チョ・デム」と呼ばれるホイアンの夜市が開かれています。一日目の夜に訪れています。
（参考ＵＲＬ）ランタンの町ホイアン

ホイアンは「ホイアンの古い町並み」として世界遺産に登録されているため、小さな町ですが、たくさんの観光客がいます。日本人は少なく、欧米人観光客が圧倒的に多いようです。なかでも聞こえてくる言葉から、フランス人、ドイツ人が多そうでした。フランス人が多いのはベトナムがかつてフランスの植民地であったことから容易に想像できますね。

ホイアンには大きなモノはありません。小さな旧家や会館が観光のメインです。ホイアンでは、何もせず、ゆったり町の雰囲気を楽しんだりするところかもしれませんね。

明日はダナンを通過し、フエに向かいます。ホイアンからフエまでは、タクシーで３～４時間で行けるはずです。