チャム彫刻博物館（ダナン）

ダナンの中心部にチャム彫刻博物館があります。入場料は４万ドン（約２００円）。中庭を囲むようにコの字型に展示館が配置されています。

チャム人の国、チャンパから出土した石像が展示されています。この博物館の特徴は、彫像がケースに陳列されているのではなく、手で触れることができることです。

フランスの植民地時代に、フランス極東学院の支援によって1915年に建設されました。フランス極東学院の収集品を中心に、各地のチャンパ遺跡から発見された石造彫刻が展示されています。
（参考文献）『北のベトナム南のチャンパ』p.168～170

チャンパはヒンドゥー教シヴァ派を信仰していました。性器崇拝が顕著なヒンドゥー教国家にあっては、リンガとヨニの像があるのは当然です。垂直に立っている円柱形の棒がリンガで、シヴァ神の男根を表しています。それを受け入れる丸いくぼみがヨニで、女性器を表しています。ふたつの結合で世界はできるというヒンドゥー教の世界観を表しています。この結合はミーソン遺跡でもいくつも見てきましたね。

女性像　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　リンガとヨニ

ヴィシュヌ神のへそからハスの花が生え、その花の上でブラフマー神が瞑想するシーン。ヒンドゥー教の代表的なモチーフのひとつ。

ガネーシャは、シヴァ神とその妻パールバティーとの間に生まれた子どもです。人間の体と象の頭をもっているので、すぐわかります。現在では学問の神、商売の神となっています。

チャム彫刻博物館の目の前にきれいな橋が架かっています。ロン（龍）橋です。ハン川をまたぐ龍のイメージでできています。２０１３年３月に開通した新しい橋のようです。

ベトナムは南北に長い国です。ハノイとホーチミンを結ぶ国道1号線は約1800キロあります。そのほぼ真ん中に標高600メートルのハイヴァン峠（海雲峠）があります。

昔は山道をくねくねと登っていたみたいですが、今では、トンネルができています。日本のＯＤＡによる支援でできたらしく、途中、日の丸のついた記念碑のようなものを見かけましたが、あっという間に通り過ぎてしまいました。ハイヴァン・トンネルは2005年6月に開通しているようです。
これで、ずいぶん楽にダナンからフエに行くことができるようになっています。それでも2時間近くかかりましたが。
峠の途中で、海岸線に臨む場所を通過していきます。