サンタ・クララ（ゲバラ霊廟、列車襲撃跡、共産党地区本部前のゲバラ像）

サンタ・クララは人口約２０万人ほどの小さな町です。さらに、ハバナから約３００キロも東に離れています。
しかし、この地にはチェ・ゲバラの霊廟があったり、キューバ革命成功（1959年1月1日）に直結した列車襲撃（1958年12月29日）記念碑があったりと、キューバ革命の歴史に関する場所としては外すことはできません。

そんなこともあってか、８日間程度の団体ツアーでも必ず訪問場所となっているようです。
私たちがサンタクララで訪れたのは、次の４カ所です。

革命広場（ゲバラ記念碑・ゲバラ霊廟・記念館）
列車襲撃跡・記念碑
共産党地区本部前のゲバラ像
カピーロの丘

ゲバラの銅像の下には“Hasta la victoria siempre” 「アスタ・ラ・ヴィクトリア・シエンプレ」という言葉が刻まれています。その意味は「常に勝利に向かって」。

2016年11月25日のフィデル・カストロの死去に際しても､この言葉はよく耳にしました。キューバ革命の象徴的な言葉になっているようですね。

霊廟と記念館は警備が特別に厳重で、撮影はおろかカメラの持ち込みさえできません。ゲバラの遺骨が安置されている神聖な場所だからでしょう。

チェ・ゲバラは、1967年ボリビアでの戦闘で捕らえられ、翌日10月9日に射殺されました。
ゲバラ没後２０年を記念した１９８７年、サンタクララのこの地に巨大なゲバラの銅像と霊廟がつくられました。まだそのときにはゲバラの遺骨は見つかっていなかったので、戦闘で亡くなった３８人の戦士の慰霊のために３８個の石が安置されただけでした。

ゲバラの遺骨は、幸運にも、１９９７年にボリビアで発見されました。そして、この地に運ばれ、カストロの手によってこの霊廟に納められました。

霊廟の手前に小さな記念館があり、その中にゲバラゆかりの展示物が陳列されています。ただ、そこも撮影禁止になっています。

１９５８年１２月２９日、ゲバラの指揮する革命軍はバティスタ政権の列車を襲撃し、多くの武器を奪うことに成功しました。バティスタはこの３日後の１９５９年１月１日、キューバからドミニカ共和国に逃亡し、キューバ革命は成功しました。従って、この列車襲撃の成功はバティスタ政権に最後のとどめを刺した事件と言えるでしょう。

列車内は小さな展示室となっていて、写真撮影は有料となっています。
ここで簡単にキューバ革命の出来事をまとめておきましょう。

１９５３年７月２６日　フィデル・カストロらがモンカダ兵営襲撃。　
バティスタ独裁政権に対する抵抗運動は「７・２６運動」として歴史に残ります。

カストロは捕らえられるが、裁判で「歴史は私に無罪を宣告するだろう」と演説。刑務所に収監されるが、１年半で釈放される。フィデルはメキシコに渡り、革命運動の準備をすすめる。このとき、ラテンアメリカを放浪中のチェ・ゲバラと運命的に出会う。

１９５６年１１月２５日　フィデル・カストロ、チェ・ゲバラら８２人を乗せたヨット「グランマ号」でメキシコからキューバに向かう。（なお、現在のキューバ共産党の機関誌名も「グランマ」）

１９５８年１２月２９日　ゲバラ指揮のもとでバティスタ政権軍の列車襲撃し、武器を奪う。
１９５９年１月１日　バティスタ政権崩壊＝キューバ革命の成功

列車襲撃記念碑のすぐ脇に今も古びた線路があり、現役で走行しています。列車は滅多に来ないのか、線路を歩く人々も見かけました。
キューバでは、特に地方部においては、馬車も現役で活躍しています。荷物を運んだり、人を運ぶタクシーとして活躍しています。

丘の頂上には、キューバの国旗と「７・２６運動」の旗がはためいています。ゲバラはこの丘で革命軍を指揮していたと言われています。
階段で上っていけるようになっていますが、私たちにはその時間はありません。