テヘランの"DOWN WITH THE USA"ビルディング
| 「アメリカを倒せ！」・・・一国の首都のビルに「打倒！アメリカ」のスローガンが掲げられている都市はテヘラン以外にはないのではないでしょうか。高架橋の上のほうに建物の上半分だけが見えています。 全体を見たくなった私はタクシーの運転手に高架橋の上を走ってもらいました。すると、下の写真が撮れました。 |
| アメリカ国旗（星条旗）のデフォルメです。国旗の星は頭骸骨、縦縞模様は爆弾の落下に代えられています。アメリカの爆弾による犠牲者を表しているのでしょうか？ この絵はここにいつまで存在し続けるのでしょう？この絵が撤去されるとき、イランは新時代を迎えていることは間違いないのでしょうね。 |
ビル全体がポスター
| テヘラン市内にはビル全体に絵が描かれているのをよく見かけます。これはかつての最高指導者ホメイニ師と現在の最高指導者ハメネイ師ですね。 |
| これは何でしょう？ |
旧アメリカ大使館
| 1979年11月4日、アメリカ大使館がイラン人学生たちによって占拠されました（アメリカ大使館占拠事件）。大使館員やその家族が人質にされました。人質は444日間拘束され、解放されるのは1981年1月になってからのことです。 その現場となった場所がここ旧アメリカ大使館です。周囲は金網で覆われ､中には入れません。ただ、壁の塀には現在でもアメリカを非難する落書きがたくさん描かれています。 占拠事件から２９周年の２００８年１１月４日、この大使館前で反米抗議運動が行われているようですね。（参照）Iran紙 「日本語で読む中東メディア」より「日本語で読む中東メディア」「日本語で読む中東メディア」「日本語で読む中東メディア」 |
旧アメリカ大使館の壁に描かれた絵
壊れるアメリカ＝イスラエル
アメリカの武器で・・・
米軍のイラン襲撃 殉教者 戦うイラン兵士
| イラン・イラク戦争（1980〜1988）末期の1988年7月3日、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦がイランの民間航空機、イラン航空機エアバスA300を撃墜した事件がありました（イラン航空655便撃墜事件）。乗員乗客290人が死亡しています。後にアメリカは誤爆であることを認め、犠牲者に補償を実施しています。 私の運転手さんは､「イラン・イラク戦争ではイランはイラクとだけ戦っていたのではなく、全世界を相手に戦ったんだ」と力説していました。今から思うと、こんな事件も含めての発言だったのかもしれません。 |
自由の女神はドクロの女神
| この他にも絵は描かれていますが、もちろん、絵にタイトルなんかはついていません。私が勝手に名付けたものです。こういった絵が大通り沿いに描かれています。はるか昔から描かれているからでしょう、誰も注目もしていません。私が写真を撮ろうとすると、ニヤニヤ笑って通り過ぎる人がいるだけです。 2002年1月にブッシュ大統領はイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しし、非難しましたが、2008年11月にはもはやそんなことを言う余裕もなく、サブプライムの火元の火を消すことすらできず、歴史の舞台から立ち去ろうとしています。 「悪の枢軸」に関してブッシュ大統領がやったことと言えば、有りもしない大量破壊兵器所有疑惑をでっち上げ、イラクをメチャメチャにしたことだけです。何十万人のイラク人が殺害されたのでしょう？ ノーベル経済学賞を受賞しているアメリカの経済学者ポール・サミュエルソンさんはブッシュ大統領を米国史上最悪の大統領と評価しています。その理由として、イラク戦争を始めたこととサブプライム問題に端を発する経済危機を招いたことが挙げられています。 （参考文献）朝日新聞2008年10月25日 また、こちら も参照。 イランが「Down With USA」と呼びかけるまでもなく、今やアメリカは自ら倒れるかのようです。ひとつの時代が終わろうとしています。 |