民政総署【世界遺産１４】

　新馬路（サンマーロ）＝アルメイダ・リベイロ通りに面した民政総署の正面入り口。（この画面より下は人だらけのため下部はカット！）
　明朝の万暦帝（1572〜1620）時代に、この地に小さな建物があり、明朝の官吏とポルトガル商人が商談をする場所でした。それで議事亭と呼ばれていました。1784年、ポルトガルがこの地を買い上げ、ポルトガル風の建物を建てました。その後、数回の改築を経て1940年、現在の建物になったようです。
（参考文献）『マカオ歴史散歩』p.9　菊間潤吾　新潮社　2004年2月25日刊
　　
　当初貿易センターであったこの場所でマカオの自治のための会議が開かれるようになりました。ポルトガル人の自治会＝マカオ議会、すなわち、セナドです。
　1580〜1640のポルトガルのスペイン併合時代にあっても、マカオはポルトガルに忠誠を誓い続けました。そのため、1640年ポルトガルがスペインから独立を回復したのち、レアル・セナド（忠実なる市会）と呼ばれるようになりました。

民政総署２階からセナド広場側を眺める

　民政総署は２階にあがれます。２階からセナド広場を眺めています。新年を祝う看板が邪魔をして広場全体を見渡すことができません。広場中央にある噴水池も隠れています。中央よりやや右側の白い建物が仁慈堂です。

民政総署２階

　　　

２階は図書館となっています。地元の人々が静かに読書しているようです。邪魔をせず、静かに見学しましょう。

民政総署中庭

中二階にある中庭にやってきました。手前に、教皇境界線を記念した石碑が手前に見えています。1493年の教皇境界線と1494年のトルデシリャス条約は、ポルトガルにとっては、やはり、栄光の歴史なのでしょうね。

中庭の二つの胸像

　　　

民政総署中庭には二つの胸像があります。これに気づくのは難しいかもしれません。私は記念碑的な建物に行くと、デジカメをまるで機関銃のようにパシャパシャ撮る癖があるので、たまたま写ってました（笑）。左の写真でサンタがまるで主人公のようになっているのはそのためです。
【左】作家ジョアン・デ・デウスの胸像　手前のサンタさんとは関係ありません（笑）。
【右】詩人カモンエスの胸像　　北アフリカでイスラムとのたたかいのなかで右目を失いました。この写真でもその様子はうかがえます。

仁慈堂【世界遺産１５】

　慈善福祉活動を目的に1569年にできたとされます。創設者は初代マカオ司教、ドン・ベルキオール・カーネイロです。
　カーネイロの時代にマカオの三大古堂もできました。三大古堂とは、聖アントニオ教会（花王堂）、聖ラザロ教会（望徳堂）、聖ローレンス教会（風順堂）です。カーネイロはまさにマカオ建設の立役者なのです。

仁慈堂古巷にあるカーネイロの胸像

　　　

　そんなカーネイロですから、仁慈堂近くに銅像も建っています。ここは少し見つけにくいかもしれませんが、仁慈堂すぐ北側の坂の小道、仁慈堂古巷を50メートルほど登ってみてください。行き止まりになっています。そこにカーネイロの胸像があります。
　やはり、ここまで確認に来る人は滅多にいないのでしょう。誰もいません。思う存分、写真が撮れます（笑）。

仁慈堂博物館（仁慈堂２階）

　　　

　仁慈堂は２階にあがれること知っていますか？２階は博物館になっています。これも少し気をつけないと、入り口が発見できないかもしれません。さきほど胸像を見るために通った仁慈堂古巷側に博物館へ入る小さな入り口があります。ただ、あまり来て欲しくないのか、初日（12月26日（金））に来た時は扉が閉まっていました。翌日また来た時には開いていたので、入ってみました。やはり、誰も来ていませんでした。私が出るときに一人、二人とやってきたようです。少し入場料は取られますが、開いていれば、入ってみたいものです。
　一番びっくりするのは、なんと、カーネイロの肖像画の前に、カーネイロの頭蓋骨が展示！されていることです。
　ここで、カーネイロさんの業績を思い起こしたいものです。くどいようですが、頭蓋骨を見ながら、自然と想起されます。仁慈堂以外に、マカオの三大古堂を建てたカーネイロは、マカオのキリスト教の布教と慈善活動について忘れてはならない人物のようです。
　私はこのリアルな頭蓋骨のほうが忘れにくいと感じましたが・・・。頭蓋骨を展示する意味って何なのでしょうね？死後に自分の頭蓋骨が展示されることを皆さんはどう思いますか？

仁慈堂２階からの眺め

　頭蓋骨を見た後は窓側に行ってみましょう。セナド広場全体と民政総署も見えます。仁慈堂博物館が開いていたらぜひ入場してみてください。入場料は少し要りますが、入場者も少なくて、セナド広場を眺めるには穴場です（笑）。
　民政総署と仁慈堂・・・・ここへ来たら、２階からセナド広場を眺める。
喧噪のセナド広場の全体を眺めるベストポジション・・・それは民政総署と仁慈堂の２階です。