| レーニン公園の前にある軍事博物館にやってきました。ディエンビエンフー通りを挟んでレーニン公園と軍事博物館は向かい合っています。私は博物館の見学というよりも、博物館の敷地内にある国旗塔に登るのが目的でした。ついでに館内を見学したのですが、これがなかなかのものでした。 |
館内展示
| 入り口では、やっぱりホーチミンさんがお出迎えです。 １９４５年９月２日、この日はベトナム人にとって忘れられない記念すべき日です。 |
１９４５年９月２日 ホーチミンがベトナム民主共和国独立宣言をバーディン広場で読み上げる
| １９４５年９月２日、ホーチミン廟前のバーディン広場で高らかにベトナムの独立宣言がホーチミンによって読み上げられました。もちろん、その時にはホーチミン廟はありませんが。 ・独立宣言は、まず、アメリカ独立宣言の引用から始まります。 「『すべての人間は平等に造られ、造物主によって一定の奪いがたい権利を付与され、そのなかに、生命、自由、および幸福の追求が含まれる』この不滅の言葉は、1776年のアメリカ合衆国独立宣言からの引用である。この意味をひろくとると、次のような意味になる。地上のすべての民族は平等に生まれている。各民族は生きる権利、幸福の権利、自由の権利を享受すべきである。」 ・次に日本との関係が詳しく述べられます。 「１９４０年の秋、日本のファシストたちが連合国に対する戦闘の目的で、新しい軍事基地を作るためインドシナに侵略してきたとき、フランスの植民地主義者たちは彼らの前に膝を屈し、われわれの領土を彼らに引き渡した。この日からわれわれ人民は今までよりもいっそう苦しくなり、いっそう惨めになった。そしてその結果、去年の終わりから今年の初めにかけて、クワンチから北ベトナムにかけて、２００万を超えるわれわれの同胞が飢え死にした。３月９日、フランス軍は日本によって武装解除された。フランス植民地主義者のある者は逃げ去り、他は降伏した。それは彼らにはわれわれを「保護する」能力がないこと、そればかりか、わずか五年間に彼らは二度までもわが国を日本人に売り渡したことを示すものであった。［中略］事実上１９４０年の秋以来、我々の国土はフランスの植民地ではなくなり、日本の領土となった。日本人の降伏ののち、われわれ人民は国家の主権を回復し、ベトナム民主共和国を樹立するためにこぞって立ち上がった。真実は、われわれ人民は独立をフランス人の手からではなく、日本人の手から奪い返したということである。」 ・独立宣言の結び 「われわれベトナム民主共和国臨時政府の閣僚は、世界に向かっておごそかに宣言する。ベトナムは自由な独立国になる権利があり、事実、すでにそうなっている。全ベトナム人民はその独立と自由を守るために、すべての物質的・精神的力を動員し、生命と財産をささげる決意である。」 |
ディエンビエンフーの戦いが映像とジオラマで展開される
| 別の部屋ではディエンビエンフーの戦いが映像とジオラマで再現されています。 ディエンビエンフーの戦いは、１９５４年、ベトナムがフランスを降伏させた戦いでした。この戦いでインドシナ戦争でのベトナムの勝利、フランスの敗北が決定しました。緑色のフランス軍陣地が赤色のベトナム軍の進撃によって次々と陥落させられていきます。３０分ほどの物語でした。 |
国旗塔
| 国旗塔は、旧ハノイ城塞の正面を表すものとして、１８０５年〜１８１２年にかけて造られました。この辺が旧ハノイ城塞の南端にあたる部分です。 ３段の基壇の上に塔が乗っています。塔の上に物見台があります。塔内の螺旋階段を登って頂上まで行けるのです。 ハノイは、歴代ベトナム王朝の都でした。（ただ、１８０２年に成立した阮朝はフエに都を置きました。）ハノイがフランスによって植民地化された後、ハノイ城塞はフランスによる都市開発にとっては邪魔と見なされました。そこで、１８９４年に城壁が取り壊されてしまいました。旧ハノイ城塞の名残を感じられるものとして、昨日確認した東河門とこの国旗塔が残されています。 ハノイ城塞そのものは近年発掘調査が行われているようですが、まだ一般的な観光名所としては整備されていないようです。 |
国旗塔を真下から見上げる
塔内の螺旋階段を登って頂上へ
| 明かり取りの八角窓があるので、照明はありませんが、意外と明るいようです。頂上の物見台まで登っていきましょう。誰もいませんし、誰もやってきません。ちょっと不安になります。ここは登れるっていうことはあまり知られてないのですかね？ |
国旗塔の頂上からの眺め（南側）
| 頂上の物見台から顔を出して周りの景色を眺めてみましょう。風が涼しく気持ちが良いです。レーニン公園が目の前に見えています。ただ残念なことに、ちょうどレーニン像が中央の大きな木の陰に隠れて見えません。 |
国旗塔の頂上からの眺め（北側）
| 反対側を眺めてみましょう。博物館の敷地とその手前には撃退された米軍の機体の残骸が見えています。 |
記念写真を撮るベトナム軍兵士
| ベトナムの兵士らしき人が団体で見学にやってきていました。 【左】米軍が落とした爆弾を背に記念写真を撮っています。ベトナム人にとっても、べトナム戦争はもはや過去の物語となっているように感じます。 【右】かつてベトナムを爆撃していたであろう米軍飛行機をバックにおどけた様子で記念写真を撮っています。 兵士が笑っていられる良い時代になったものです。 |
撃墜された米軍飛行機の残骸 博物館前のオープンカフェ
| 【左】撃墜された米軍機の残骸が山積みされています。 【右】今日もこれまでかなり歩きました。コーヒーでも飲んで一服です。こういった観光地では、メニューも英語表記で、定価があるので気楽に注文できて安心です。 |
